Warwick MBA by Distance Learning修学日記

英国University of Warwick(ウォーリック大学)の経営大学院Warwick Business School MBA by Distance Learning コースについて、勉強の日々を綴ります。

Corporate Finance (CF)

Excep Japan

ここまで9科目を受講して、何度も遭遇したのが、”except Japan”っていうフレーズだ。一番最初はEBEの時にも触れたけど、日本は例外だって言うフレーズが頻繁に出てくる。これは現状の財政状態とセ寸口金利がずっと続いている状態を見れば、まあ、外からもわかりやすい。しかし、EBEだけではなく、そのほかの場面でもそんな「日本は例外」ということが非常に多い。


例えば、ファイナンスでも、配当性向について統計を取った論文にも、英米加独仏日の6国で日本は例外的だと頻繁に出てくる。ICOのような科目でも日本は状況が異なるって話もよく出てくる。例えば、どの国がイノベーティブかってアンケートでも、日本の回答だけ、日本はイノベーションを起していないって回答になっていたりする。


最初は、日本が例外なのは、欧米と比較しているからで、やっぱり日本はアジアの文化なのかと思ったけど、必ずしもそうとはいえないようだ。まあ、アジアの国々と同じ価値観
を共有しているとはいえないまでも、やっぱり外国で出会うと相通じるものはある。これがインドあたりまでいくとやっぱりだいぶが違うなと感じたりもする。しかし、こういった日本は例外っていう文脈は、日本がアジアだから欧米とはそりや違うよ、という話ではなさそうだ。一言で言うと、日本は現状維持バイアスが強いっていうか変化を嫌う傾向が強そうだ。


ここら辺は、深く研究していくと面白いと思う。根は同根というか、企業文化とか、人々の常識とか、が関係していると思うけど、自分の常識は他人の常識ではないといういい例だとも思う。いままでは他人は自分と同じ常識を共有しているっていう暗黙の了解で企業も国も運営されてきたけど、その結果意思決定者が不在で、あうんの空気で物事がなんとなく決まっていたのだと思う。だから物事が現状維持で進んでいたのだ。でもこれからのグローバル化の時代はそうはいかないだろう。いずれにせよ、日本は例外って観点からのアプローチで企業文化を分析するのも面白そうだ。


 

アカロフのレモン

アカロフのレモンっていう言葉は一般的に中古車市場の例で説明される。一言で言うと悪貨が良貨を駆逐する、という話だ。売り手と買い手に情報の非対称性があって、売り手のほうがより重要な情報を持っていると、逆選択が起るという現象だ。例えば異常に安い中古車は、何か裏があると思って買うのを躊跨するものだ。その結果中古車は粗悪品を売っているのでは、という疑心暗鬼が起き、買い手はそれを見越して安い価格しか買わなくなるし、売り手も、よい車を売りだすインセンティブがなくなる。

これは株式市場でも同様で、会社が新株を発行するとき、外部の人間より内部の経営陣のほうが情報を持っているので、現在の株価が割高だからだ、という疑心暗鬼を抱き、株価は下落する傾向にある。しかし、経営陣としては本当に資金が必要で新株発行するのに疑心暗鬼で割安にされてはたまらない。こういった場合、如何にその情報ギャップを埋めて適正価格を見いだせるかが重要になる。


中古車市場の例でいえば、例えば、試乗させたり、売り手が保証をつけたり、あるいは自動車メーカー系例の販売店が認定中古車と銘打って信頼度を上げて、レモンではありません、という売り方をする。

株式市場の場合でいうと、保証付けたりはできないので、最も情報の非対称性が狭まる決算発表と同時に新株発表をアナウンスする、というのが一般的だ。逆に新株発行した直後に業績の下方修正とかするのは最悪で、これをやるとその年の業界雑誌などでめでたく「今期のワーストディール」にランキングされて、またあの証券会社か、、、と陰口を叩かれるのである。JALの破たん直前の公募増資とかそうだった。

 

CF5回目のライブセッション

CF5回目のライブセッションに参加。本日のテーマは最終アセスメントとLesson6&7のまとめ。最終アセスメントの課題は発表されたようだけどまだ読んでいない。ただ早い人は取り掛かっているようで、いろいろと質問も出ているようだ。言われたのは、最終アセスメントは「量的、質的な深堀した分析」が求められるということだ。計算もちゃんと自分でするようにということで、例えばβもヒストリカルデータを自分で探して計算しなさいということらしい。公式もネットで見つけた公式をそのまま使うのではなく、ちゃんとしっかりとしたreferenceでサポートして引用しろということで、結構厳しそうだな。


本題はLesson 6 & 7の復習で、主にCapital Budgetingについて。どのようにEarningsを予測して、そこからフリーキャッシュフローを導くか、資本コストの計算ではTax shieldをどのように考慮して企業価値を計算するか、などなど。具体的にはWACCやAPVなどの手法の演習などもあり、内容の濃い2時間弱。


この学期のアセスメントはまだどの科目も見ていないのだけど、どれも不安が多い。アセスメントの課題を見るのはすべてのレッスンが終わってからと思っていたけど、そろそろ問題見ちゃおうかな。

MM修正命題

先日のMM命題では、完全資本市場を前提としていたが、この修正命題では、このうち、税金が存在しないという前提をなくしている。税金が存在する場合、資本構成を変えると分だけ負債の調達を増やすと法人税効果分だけ企業価値が増大する。これをInterest tax shieldと呼んでいる。 Interest tax shieldは負債×利率×法人税で、表すことができる。つまり、払った金利はコストに算入できるので、そのうち法人税率分は税金を節約できることになる。仮に負債が一定だとすると、このInterest tax shiedの生涯価値の現在価値は負債×法人税率で表すことができる。

よって負債のある企業の企業価値は、負債のない企業の企業価値+Interest tax shieldの現在価値となるのだ。これがMMの第3命題とか修正命題といわれているものだ。しかし、ここでも税金以外は完全資本市場を前提としているので、現実にはこの通りにはなかなかならない。税効果だけを求めて極限まで負債の比率を高める企業はないのだ。その理由はいろいろあるけど、ひとつにはこれは利益を上げることを前提にしているので、そもそも赤字の企業は法人税払っていないので関係がないってことだ。今は黒字でも、赤字の決算は、国によって若干違うけど、税会計上繰り越せるので、例えばJALも今は好調だけど法人税払ってないし、銀行もず--と法人税払ってなくてようやく最近払い始めたりしている。そのほかにも税金の免除を受ける施策はいっぱいあって、デフォルトのリスクを高める負債をInterest tax shieldだけ求めて高めるのは得策ではないということだろう。

しかしファイナンス理論的にはMM理論は、すべての基礎になるので非常に重要だ。僕がMBAについて、AFMでは範囲が足りないと思うと以前から言っているのは、このMM理論とBlack Scholes Modelを勉強しないと、MBAレベルのコーポレートファイナンスに達していないと思ったからだ。そんなわけでやっぱりCFを選択科目で取ってよかったと思った次第。ちなみにさらにファイナンスを勉強したい人はWBSではAdvanced Corporate Financeってモジュールもあるし、そもそもWBSではファイナンスコースもあるので、そっちに入学するという手もある。僕はファイナンスの専門家を目指しているわけではないので、ここら辺まででいいや。

Modigliani-Miller propositions

「完全資本市場において、資本構成は企業価値に無関係である」というのがMMの第一命題だ。これは企業の価値は、ビジネスの投資によってのみ変更されるということで、企業の資金調達を株式発行で行おうが、負債で行おうが企業価値に影響はないということだ。この命題は、BSを見れば一目瞭然で、右側の内部の比率を変えても左側の資産は増えない。ピザの切り方をどうするか考えているだけであって、ピザは大きくならないのと同じことだ。企業価値を高めたかったら、事業をして左側の資産を大きくすることを考えねばならない。


しかし、これについては、ちょっとファイナンス理論をかじった一般的なイメージと少し異なるかもしれない。なぜなら普通、負債のコストのほうが株式のコストよりも安いので、負債で多く調達したほうが資金調達コストが下がって企業価値は上がるのではないかと思うからだ。しかし、MMの理論では、負債の調達の増やすことによって、株式のコストがそれに比例して上がるので、トータルの資本コストは常に一定になるのだ。つまり、負債のコストは確かに安いけど、負債が増えると、株式は負債に劣後しているので、その分リスクが増えてコストが上がる。トータルの資本コストはなので一定ということだ。これが「完全資本市場において、DEレシオが上がると株式資本コストも上昇する」、というMMの第二命題と言われているものだ。この理論でModiglianiMillerは別々にだけど、ノーベル経済学賞を受賞した。


ちなみにこのMM命題は「完全資本市場において」という前提を置いている。完全資本市場とはいろいろな前提があるけど、大まかに言うと、税が存在しない、情報の非対称性がない、取引コストがない、エージェンシーコストがない、倒産コストはゼロ、等などで、現実には当てはまらない。しかしだからと言ってMM命題は意味がないかというとそうではなく、ファイナンスを理解する上で非常に重要な考え方なのだ。特に数式上でわかりやすいのは、税金で、現実にはこれがあるので資本構成をいじって負債を増やすと税効果分だけ企業価値が上昇する。なので、現実には負債を有効に使って資本コストを下げましょう、という営業も存在するのだ。

 

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