Management changeと関連があって、面白そうだったので最近読んだ本が「巨像も踊る」だ。高かったのでアマゾンで中古本を購入。これは、IBMの元CEOであるルイス・ガースナーが、瀕死の重傷だったIBMをどのように立て直していったかを回顧録的にまとめたものだ。


エピソードの中で興味深いのは、アメリカのIT企業というと、自由な社風でクリエイティブというのが最近の印象だとおもうけど、IMBは当時全く逆で官僚的な文化がはびこり、日本の大企業を見ているようだった点だ。つまり、まったく日本には当てはまらない再生物語、というよりもむしろ日本企業的にも参考になることが多いように思う。


MC
でならうChangeの最も基本的なモデルは、LewinsUnfreezingMoving, Refreezingというモデルなのだけど、IBMの再生は、まさにこのモデルの流れに沿って再生されていく様子が描かれているのも興味深い。ここでもっとも重要なのは、最初にSense of Urgentを作るということなのだけど、ここは当時のIBMは倒れかけていたので簡単なのかと思いきや、そんな会社ですら実際はSense of Urgentをしっかりと理解させるのが難しいというのは極めて実践的でもある。結構、潰れかけている企業って中の人に危機感がなかったりすることって結構多い気がする。


あと、印象的なのは「手続きではなく原則によって管理する」という大原則を掲げていた点。この点はPDの僕のテーマにも関連するところで、アンケートでもそのような問いを作っていたので非常に興味深い。ただし、これは単純な文言だけではなかなか本音・本質をつかむことが難しいので、多くの事例や意見に触れる必要があると研究していて感じているところ。なので、IBMの事例からさらに考えることもPDのディスカッションに入れられるかもしれない。


今取り組んでいるMCPD両方にマッチする内容で、今読んでよかった一冊。