変革を起こす影響力を及ぼすには、そのためのPowerが必要になる。Powerの源泉という観点から有名なのがFrenchRavenのセオリーだ。それによると、6つのパターンにPowerの源泉を分類しているのだけど、その中でも会社にいて一番わかりやすいのがLegitimate powerだ。これはつまり、部長とか課長とか、そのポジションにいること自体から生じる力ということだ。でもこれは実はあんまり強い力ではない。そのポジションから外れた瞬間に誰も言うこときかなくなるからだ。だから、会社でも、もし自分の力がないのは役職がないからだ、と思うのは間違いなのだ。役職は単にPowerの源泉の一つにすぎない。


では、現実問題、会社で力を持つにはどうしたらよいのか。それがFrenchRavenの言うところのExpert PowerInformation powerだ。つまりその人の持っている専門能力、情報がないと仕事が進まない、という力があればおおきな影響力を行使できる。これは役職やポジションに関係なくもつことができるし、この力が強ければポジションを異動してもずっと Powerを持つことができる。たとえばMartin Luther Kingがなぜ大きな影響力を持てたのかを考えると、彼が牧師であったからではなく、彼の言うビジョン、言葉自体に大きな魅力があったからなのだ。


ということで、職場で力がないと嘆くならば、自分の不遇を恨むのではなく、だれにも負けない専門性を身につける努力をしよう。そこでExpert powerを身につけ影響力を発揮すれば、Positionも後から付いてくるかもしれない。その時、legitimate powerは影響力をサポートしてくれる役割を持ってくれる。でもLegitimate powerにだけ頼っていては本物の力はずっと身に付かない。