前回の企業の社会的責任っていのと同じような概念だけど、企業倫理っていうのもビジネススクールでは重視して教育しているようだ。エンロンとかワールドコムの企業不祥事に、欧米の一流ビジネススクール出身者がいたということで、ビジネススクールとしても、企業倫理までセットで教えなければ、ということになったのだろう。それと社会的にも企業倫理って言うのが大きく取り上げられるようになったからという点もあるだろう。


だけど、そういった背景をなくしても、もともと企業倫理っていうのは経営戦略上重要な項目だったはずだ。企業不祥事って言うのは、1回起しただけで企業を破たんへと導く爆弾みたいなものだ。如何に不祥事を避けるかって言うのは経営をするうえで常にトッププライオリティのはずだ。


にも関わらず不祥事は止まらない。最近だとVWだったり、旭化成だったり。これは企業の不祥事が、最初はちょっとした見過ごしだったり、ちょっと違反に目をつぶったり、としているうちに感覚がマヒして、それが当たり前のルーティンになってしまうからだろう。


昔、NYでジュリアーニ市長が治安を回復するために、地下鉄の落書きを消すことから始めたってのは有名だけど、その時も、小さな犯罪の積み重ねが凶悪犯罪を生むのだって主張していた。そして実際NYは見違えるように安全になったのだから、小さなうちに芽を摘むって言うのは正しいのだろう。