あの企業は、国際的だ、的な話は常にあって、今の時期、学生も海外で働きたいとか国際舞台で活躍したいと思っていると、必然的に国際企業を目指すことになる。しかし、国際企業って言うのは、どのようなものだと定義を考えると微妙な問題もある。


海外で活躍したい学生のイメージとしては、総合商社だ、とか、世界的なメーカーだ、となるかもしれない。しかし、日本企業の場合、日本の強大な国内市場に支えられて海外へと展開しているので、売上に対する海外比率は小さかったり、海外売上比率が高い企業も、全資産に対する海外資産は低かったりする。でも、これ自体は悪いことではない。世界的な国際企業と言っても、アメリカの企業はやっぱり強大なアメリカ市場を背景にしているので、海外比率は小さかったりする。


一つの指標として、Transnationality IndexTNI)というものがある。これは、全資産に対する海外資産の比率、売上に対する海外売上高の比率、全従業員のうち外国人従業員の比率、の3つのレシオの平均で計算する。この比率が高いほど、国際的だという一つの指標だけど、この考え方だと、国内市場が小さい国の企業がどうしても上位に来る。例えば、2009年のTNI1位はネスレだけど、海外資産額では世界17位になる。対して海外資産額一位はGEなのだけど、TNIでは世界57位だ。


と言うわけで、国際的、というのもどの尺度で測るかによって異なる。特に学生は、単に海外駐在したいのか、世界を舞台に外国企業を相手したいのかによって、選ぶ企業も変わってくるはずだ。海外駐在しても商談の相手は日本企業の日本人ってこともよくある。どれが良い悪いって話ではないけど、漠然とした言葉では本質はつかめないものだ。