MBAの勉強をしていると、よく言われるのが、不確実性の増している環境下でのビジネス判断をどう行うか、ということだ。昔のように、大量生産で同じものを量産していれば、市場が拡大して行くにあわせてモノも売れていくという時代ではないのだ。生活に必要なモノはみんなもう持っている。価値観や生活スタイルも多様化しているし、ITの急速な進歩や新興国の急成長で5年先の未来を予測することも以前よりも難しい。ではそんな時にどんな人材が望まれるのか?
ハーバードビジネスレビューの記事で、コラムになっていたのだけど、そこに面白い記事があった。3人の候補者がいて、10間の試験をしたところ、Aさんは間3,4,5,8,9の5間に正解、Bさんは間1,2、5,6,7、9,10の7問正解、Cさんは問1,2,6,7,9,10の6問正解だったとする。誰を採用するべきか?
一見すると政界の多いBさん、Cさんの順で採用すべきかと思う。でもよく見ると、BさんとCさんの正解した問題はほとんどかぶっている。一方、Aさんの正解した問題はほとんどBさん、Cさんは正解できていない。つまり、誰もが知っていて簡単に習得できる問題に正解したB,Cさんより、皆が答えられない問題に正解できるAさんのほうが、正解数が少なくても価値が高いとも言えるのだ。
不確実性の時代、大切なのは、どんな状況にも対応できるように異能の才能を集めることだ。皆が知っている問題を皆で正解しても、不意の状況に対応できない。皆が知らない分野を極めよう。