最近ついにTPPが大筋合意に達したように、経済ブロックは、IBを学ぶ上で避けて通れない重要な論点だ。特にイギリスのMBAとしては、EUについて、後々人に語れるようにしておかないといけないだろう。そしてもちろん、日本人MBAとしてはTPPについてもしっかりと語れる必要があるだろう。


実際IBのレクチャーでもEUについては、テキストのChapterひとつかけてじっくりと解説している。EUの生立ちと歴史、それぞれの機能などだ。EUを複雑にしているのは、それぞれの機能ごとに参加国が異なる点だ。イギリスはEUの一員だけど、ユーロには参加していないし、ユーロを使用しているのにEUのメンバーでない国もある。パスポートコントロールがフリーな国とそうでない国もある。一応EUでは、単なる経済連合にとどまらない政治的な統合も目指しているので、さまざまな分野でコンバージェンスを図っているのだけど、完全に一致しているかというとそうでもない。例えば、教育分野でも、学位のレベルを統一すべく施策が打たれていて、これについてはイギリスも加盟しているものの、実際は、イギリスはかなりゴーイングマイクェイだったりする。イギリスは大学についてはプライド高そうだからなあ。


そして重要な点は、人の移動も原則域内は自由ということだ。ENVCでもキプロスの教授がWarwickに数年前から参加しましたって自己紹介していたけど、それは、まさにEUの人の移動が自由になったことで、より活発になったのだろう。学位が標準化されて人が自由に移動できるので、教授陣はヨーロッパ中の大学を兼任したり、転籍したりする。


経済ブロックによって、何が共通化されて、何が自由になるのか、そしてそれによってどういったビジネスチャンスとリスクが発生するのか、については常にアンテナを高くしてチェックしておかねばならないのだろう。