戦略を考える上で重要なのは、Contextだ。自社の業界におけるポジション、自社の商品・サービスのプロダクツライフサイクル(PLC)などを考慮に入れなければ、独りよがりの戦略となってしまう。自分がこうしたいと思うだけのことは戦略とは言えない。全体の中で自分がどう動いて優位なポジションを獲得するかが肝心なのだ。 特にセオリーが当てはまるのがPLCだと思う。もちろん最近は商品体系が複雑化したり、商品サイクルが短くなったりして以前ほど画一的なPLCというものはないかもしれない。でも一般的に言ってPLCが示しているライフサイクルは結構当てはまる。そして、予め商品がどういった運命をたどっていくかを知っていれば戦略も立てやすくなる。例えば新商品の導入時であれば、差別化を徹底して価格を高めにする戦略をとったりする。そうすると後の展開は、競合が模倣して同一化戦略をとってくるので、マーケットが成熟してきたら低価格戦略を取る時期が来るな、ということは想定できる。例えば、トヨタは最初プリウスでハイブリッド車を世に出したけど、他のメーカーがハイブリッドに参入してくると、アクアという廉価版を作って価格でも対抗するとかそんな感じだ。 一方、行き成り低価格戦略でシェアを一気に取りに行くという戦略を考えられる。けど、価格戦略は、規模の経済や効くので中小企業には取りにくい。ただ、ITなどで、一気にプラットフォームを取りに行くという形であれば、一気にシェアを取って、大手企業に身売りするというExit戦略はあるかも。 いずれにせよPLCを意識しておけば、戦略の予測可能性は高くなる。常にPLCを意識するようにしよう。