Organization Behaviorを考える上で避けて通れないのが、人事の問題だ。組織は人の集合体という風にもみなすことができる。働く人にフォーカスを当てないと組織についても語ることはできないのだ。一般的に人のパフォーマンスは能力×モチベーションであらわされる。能力だけ高くてもやる気がなければ何もできないし、やる気だけ空回りしても結果はついてこない。

ここで特に問題になるのはモチベーションだと思う。というのは、能力は足し算的で、確実につみあがっていくけど、モチベーションは簡単に上下して変動が激しい。管理することが難しいといえる。特に日本の場合、基礎教育がしっかりしているから皆文字は読めるし、四則計算くらいできる。上司の指示をちゃんと把握できるくらいの能力は持っていて、同じ会社の従業員間ではそこまで大きな能力の差はないだろう。でもモチベーションは違う。同じ会社の中でも、やる気のある人とやる気のない人の差は激しい。モチベーションを高めることができたらパフォーマンスは劇的に改善されるだろう。

モチベーションについては、古くからマズローの欲求段階説やマクレガーのⅩ理論、Y理論、ハーツバーグの衛生理論などがあるけど、大事なのは、いかに個人の欲求と会社の要望をうまくあわせた報酬制度(金銭だけでなく)を作ることができるかだ。職場での人の行動って結構合理的だ。しかし、その合理的かどうかの基準は人によって変わる。サボっている人はサボるほうが得だからサボっているし、サービス残業している人は、しないと村八分になることが怖いからしているのだ。人によって基準が違うのに、組織ではどのように制度を作るのか、それが問題だ。