Warwick MBA by Distance Learning修学日記

英国University of Warwick(ウォーリック大学)の経営大学院Warwick Business School MBA by Distance Learning コースについて、勉強の日々を綴ります。

2015年10月

国際人事

MBAなんてものに興味がある人にとって、将来は海外勤務をしてみたいと思っている人も多いと思う。NYやロンドンのような先進国で働く希望がある人もいれば、東南アジアやインドのような活気あふれる国で働きたいと考える人もいるだろうし、希望はそれぞれだと思うけど、現実問題、海外勤務は楽しいことだけではなく、大変な苦労もあると思う。そしてそれは赴任する人や家族だけにとどまらず、企業にとっても言える。多国籍企業にとつてグローバルな人事管理は頭の痛い問題だ。英語が苦手な日本企業が多く抱える問題かと思っていたけど、テキストを読むと海外企業も同様な問題を抱えているらしい。


まずは言葉の問題。英語を勉強していると、英語で苦労しないレベルになりたい、と思うものの、生まれ育っての環境で第二言語を身につけた完壁なバイリンガル以外、そのレベルに達するのは難しそうだ。第二言語でのビジネスは、実際問題、会社も、赴任者もストレスを感じることは避けがたい。


そうなると、現地のことはなるべき現地人を登用して任せよう、となって行く企業が多いけど、発展途上国ではなかなか人材不足となるし、先進国で給料がとても高いってことになる。現地採用者を日本でも数年勤務させて企業カルチャーや経営を学ばせて現地に戻すつてこともありがちな施策だけど、一度日本に連れてくると、日本人並みの給料で待遇しなれければならないし、そうすると戻るときもその処遇になってコストが上がるとともに、他の現地採用者との格差が広がって溝が生まれることもある。


日本人の海外赴任者にしても同様で、日本にいるとき比べてかなり処遇がよくなるものだ。そうすると、赴任した直後は現地の水に合わないという悩みがあるのに対して、今度は帰ってくると、満員電車が耐えがたいとか、現地では大統領主催の晩さん会に出ていたのに、冴えないサラリーマンに戻ったとか、急につまらなく感じたりすることもある。家族もいつの間にか現地になじんで、帰ってこなかったりする。基本的に企業は帰ってくる赴任者へのフォローは乏しい。


こんな感じで、日本人海外駐在者へのフォローとコスト、外国人幹部のフォローとコスト、とそれぞれ違うので難しい。

IB3回目のライブセッション

IB3回目のライブセッションに参加。本日のテーマは海外市場への参入手法について。


これは大きく分けると、輸出、ライセンス、JV、買収、グリーンフィールド、とある。なにが一番リスクが少ないかといえば輸出するだけってことになる。当然リスクが低いのでリターンも低くはなるけど、海外進出、となった時、本当に輸出で対応するだけではだめなのか、という点はよく考えた方がいいと思う。


授業を聞きながら思ったのだけど、例えば中国って私有財産権が保障されていないし、大きな財産を中国内に持っているのって結構なリスクだ。オンキャンパスで香港の友人と「北京冬季オリンピックっていうけど雪あるの?」って聞いたら「なければ持ってくるか、無理矢理降らせるんじゃないの?人が邪魔ならどかすし、青い空がほしければ車を止める国だ、やつらは何でもやるんだよ」って言っていたのが印象的だ。輸出にすると、輸送コストとか、中国でのローコスト生産ができないとか、現地のニーズに柔軟に対応できないってのがデメリットだけど、これらは、高品質の差別化を日本企業は嗜好しているのだから、あんまり問題にならないはずだ。


ライセンスもまあ、初期投資が抑えられてリスクは低いけど、WWでのケースでもやったけど、後々ライセンシーがライバルになったりする。JVも喧嘩別れで、結局持ち分を売って逃げ帰るってのは落ちだったりする。買収や自前での進出はコストが高いし、有事にいきなり没収されるリスクがあるかなぁ。


理論的には、もちろんそれぞれメリット、デメリットがあるのだけど、それぞれ固有の国の事情を見ると、おのずと選択肢も限られてくるものだ。独資の進出を認めていない国もまだまだあるし。国際ビジネスは政治とは切り離せないものだと改めて実感。

 

国際度の測り方

あの企業は、国際的だ、的な話は常にあって、今の時期、学生も海外で働きたいとか国際舞台で活躍したいと思っていると、必然的に国際企業を目指すことになる。しかし、国際企業って言うのは、どのようなものだと定義を考えると微妙な問題もある。


海外で活躍したい学生のイメージとしては、総合商社だ、とか、世界的なメーカーだ、となるかもしれない。しかし、日本企業の場合、日本の強大な国内市場に支えられて海外へと展開しているので、売上に対する海外比率は小さかったり、海外売上比率が高い企業も、全資産に対する海外資産は低かったりする。でも、これ自体は悪いことではない。世界的な国際企業と言っても、アメリカの企業はやっぱり強大なアメリカ市場を背景にしているので、海外比率は小さかったりする。


一つの指標として、Transnationality IndexTNI)というものがある。これは、全資産に対する海外資産の比率、売上に対する海外売上高の比率、全従業員のうち外国人従業員の比率、の3つのレシオの平均で計算する。この比率が高いほど、国際的だという一つの指標だけど、この考え方だと、国内市場が小さい国の企業がどうしても上位に来る。例えば、2009年のTNI1位はネスレだけど、海外資産額では世界17位になる。対して海外資産額一位はGEなのだけど、TNIでは世界57位だ。


と言うわけで、国際的、というのもどの尺度で測るかによって異なる。特に学生は、単に海外駐在したいのか、世界を舞台に外国企業を相手したいのかによって、選ぶ企業も変わってくるはずだ。海外駐在しても商談の相手は日本企業の日本人ってこともよくある。どれが良い悪いって話ではないけど、漠然とした言葉では本質はつかめないものだ。

 

SA3回目のライブセッション

SA3回目のライブセッションに参加。本日のテーマはHuman Behaviorに関することで、ずば抜けた成果は実力か運か、というもの。こういったテーマは非常に面白い。


いろいろな例をとって説明されていたのだけど、要点は、ずば抜けた成果は運によるものが大きい、しかし、人は運を実力と勘違いしやすい、なので、その特性を利用すればよりよい経営に活かすことができるということになる。


特に興味深い例は、カナダのアイスホッケーのもので、トップリーグでプレイする選手の40%は第一四半期生まれというものだ。なぜならばトッププレイヤーになるには小さいころからジュニアリーグに入る必要があるけど、そのジュニアリーグでレギュラーになるにはその学年で優秀でなければならない。でも小さいうちは、数か月の生まれの差は身体能力に与える影響が大きく、結果第一四半期生まれの子が有利になる。で、活躍の場を与えられ、そういうチャンスを与えられた子が将来トッププレイヤーになるということだ。つまり、生まれた月は本来能力に関係ないのにパフォーマンスに影響する。いつ生まれるのかは運しだい、ということだ。


実はこの話、以前前職の同僚との飲み会でも、こういったスポーツやソーシャルサイエンスを研究している友人も同じことを言っていて覚えていたので、今回のレクチャーでも印象に残ったのだ。日本でもやっぱり4月生まれのトップアスリートが多いらしい。


こういったことを知っておくのは経営だけではなく、子育てにも役立つかもしれないね。

リスクマネジメント

起業戦略を語る上で避けて通れないのがリスクマネジメントだ。しかし、起業によっては、経営企画部というとエリートコースのようなイメージがある一方、リスクマネジメント部署は地味というイメージがあるということも結構ある。実際BCPって作っている会社多いと思うけど、いまいち注目を集めないし、作っている部署もなぜかおじさんがいっぱいいる部署だったりして地味なイメージが満載だったりする。でもSAで取り上げられているように、リスクマネジメントは、経営上の重要なイシューだ。


ただ、一言でリスクマネジメントといっても、実際は幅広い。これを纏めてやろうとすると、責任範囲が不明確で何を定めればいいのか分からなくなり、対応策も曖昧になってしまう。バランススコアカードでおなじみのHBSのカプラン教授がHBRに寄稿した記事によると、3つのリスクマネジメントがある。Preventable risksStrategic risksExternal risks3つのカテゴリーだ。最初のPreventable risksは企業内部に起因するリスクで、企業不祥事とかだ。これは基本的にある程度コントロール可能だし、ルールや研修などを通じて、そもそも発生しないようにする、ということが重要になる。2つめのStrategic risksは起業が価値を上げるために取りに行くリスクで、まさに起業の存在価値に直結する。銀行でいえば、借入人のデフォルトリスクを取りに行くからこそ収益を上げられるというわけだ。だけどそのためには、他の人よりデフォルトリスクを精緻に分析できる能力がないといけない。そのための能力アップとリスク計測の精緻化を目指すべきカテゴリーになる。最後のExternal risksは自然災害、戦争、政策変更など、企業ではコントロールできないリスクだ。ここは、そのイベントの発生頻度と発生した時のインパクトの大きさ、対策費用との費用対効果を分析して、どのようにリスクを管理するか、具体的には、発生頻度が高くてインパクトが極′トなイベントは無視するとか、頻度が少ないけどインパクトがでかいイベントは、保険をかけてリスクを移転するとか、を検証することになる。


いずれにせよ、重要なことはトップの関与だ。地味なイメージが経営層にまで浸透してしまっていると、所詮対外的に説明できるアリバイが一応存在していればいいんでしょ、的な扱いになってしまう。晴れている日に如何に嵐の対策を立てられるか、ということになるので、トップの本気度が表れてしまう分野であると思う。

ギャラリー
  • Warwick Week 3 帰国日
  • Warwick Week 3 三日目
  • Warwick Week 3 二日目
  • Warwick Week 3 初日
  • ENVC 5日目
  • ENVC 4日目
  • ENVC3日目
  • ENVC 2日目
  • ENVC 1日目
プロフィール

boosterbrain