Warwick MBA by Distance Learning修学日記

英国University of Warwick(ウォーリック大学)の経営大学院Warwick Business School MBA by Distance Learning コースについて、勉強の日々を綴ります。

2015年08月

起業家のCreativity

起業しようとアイディアを考えるとき、実際にビジネスプランになるまでにはいくつかの思考フェーズがある。順にPreparationIncubationInsightEvaluationElaborationの順に5つのフェーズだ。


Preparation
というのは、その起業家の今までのバックグランドや経験で発送の源になる。ある調査によると起業は過去の職業経験をもとにすることが50%~90%となっていて、大半は今までに経験した職業で起業していることになる。いきなり全く知らない業界に飛び込むのはやはり難しいというところか。

Incubationはアイディアを考えているフェーズで、あれこれ考えたりする時間のみならず、まったく別のことをしている時間も含まれる。ICOでも勉強したけど、このIncubationって重要な期間だと思う。

次がInsightで、つまりひらめきの瞬間ってことだ。

そしてEvaluation。浮かれてついこれを忘れがちだけど、この評価を精緻にしないと本当に実現可能なアイディアなのか不明確になってしまう。

最後がElaboration。アイディアをさらに詳細に詰めて、ビジネスプランへと落とし込んでいくフェーズだ。


まあ、このフェーズはそうなのだろうな、という感じだけど、Preparationというのは悩ましい。でも学生で起業する人もいるし、完全に業界経験がないとだめってことはないだろう。ただ、その分野の深い知識と興味があることは重要だと思う。儲かりそうなアイディアを思いついて、それをビジネスにしようっていうのはうまくいかないと思う。なんとなく、これから高齢化だから介護ビジネスだ、とか葬儀屋だ、と思ってビジネスを始めてもうまくいかない。多分、自分で介護を経験して、こんなサービスがあったらいいのに、とか、そういう現実と理想のギャップを自ら体感して、それを変えないという強い意志があるときにビジネス機会が訪れるのだと思う。儲かりそうな業界は何かな、という出発点はうまくいかないだろうな。

 

5 myths about entrepreneur

起業家といって思いつく人物像について、よくある5つの誤解があるそうだ。自分は起業家になれないって思いがちだけど、それらは誤解だよと気づかせてくれる。


一つ目は、起業家は生まれながらの資質である、ということ。多くの研究によれば、起業家と一般人とに遺伝的な差異はない。もちろん、起業家の特徴ってのはあるけど、それは遺伝的に身に付いたものだということではないそうだ。


二つ目は、起業家はギャンブラーだということ。むしろ穏健なリスクテイカーという傾向が強いらしい。


三つ目は金銭的欲求によって動かされているということ。もちろん、金銭面の欲求もあるけど、それだけで起業は成功しない。世の中を変えたいとか、自分のアイディアを世に出したいとか、そういったものが根本的な動機となる。


四つ目は、起業家は若者だ、ということ。統計によると最も気牛が多い年代は、30代、40代であるらしい。ビジネスの経験も積んで、起業という人が実際は多いらしい。僕もまだまだいけるな。


五つ目は、起業家は注目を浴びたがる、ということ。確かに有名な起業家はいるけど、それはほんの一部。大半の起業家は普通に生活して黙々と仕事している。フェイスブックとかグーグルとか、そういったテレビに出る人ばかりを見て、これが起業家だ、と勘違いしないようにということか。大半の企業はマスコミに出てこないし、有名な企業でも創業者を知らない企業のほうが多い。


ということで、起業家を特別視することなく、誰にでも起業のチャンスはあると言える。僕も、もう年だからっていうセリフは控えよう。

 

成功する起業家

成功する起業家像って言うのは巷にたくさんの本も出ているけど、テキストで示された4つの特徴は、ビジネスへの情熱があって、商品/顧客志向で、あきらめない粘り強さがあって、実行力があることってことになる。


ここで注目したいのは、「情熱」だ。そんな抽象的な概念なんて、と思うかもしれないけど、現実的に一番重要なのはこれだと思う。4つの特徴も、情熱が他の3つの特徴の源泉になっているのだ。


そしてこれは僕が中小企業診断士としてコンサルしたり、理論研修で実際の事例を検証したりした経験にも当てはまる。実際の事例では、本当にダメな事例もいくつもあって、もうやめたほうがいいのではっていう会社もあるけど、そういった会社に共通しているのは、社長にやる気がないってことだ。アイディアを思いついて起業してみたけど、どうもうまくいかなくて、これは不景気とか外部環境が悪いからだって結論に至っている。逆にうまくいっている会社は、社長が常にあれこれ工夫して24時間ビジネスのことを考えている。


大企業勤めでは、オンオフのメリハリが大事だけど、起業家は全く逆でオンオフの区別がなくなって、昼間遊んでもいいけど、深夜でも仕事するっていう環境になる。24時間オフでもあり、オンでもあるのだ。そういった感じで、常に改善を考えて実行している会社は厳しい環境でもしっかりと成果を出している。


やっぱり会社は社長の器を超えて大きくはならないのだと思う。だから、定量的な起業家の成功像より、一番に「情熱」を持ってきたのはその通りだと思う。

 

起業への一歩

ENVCの事前学習でテキストを読んでいて、考えたのだけど、どういった環境の人が起業しやすいのか、ということだ。


国別のデータでみると、先進国より発展途上国の人のほうが起業する人の割合が高い。でもこれは納得的だ。そもそも大企業なんてないから、大企業で出世していくなんて言うキャリアパスをそもそも描きずらい。生きていくためには自分でなにかビジネスを始めて稼がねばならないのだ。これは自分を省みてもそうで、起業したいと思っても、いざとなると失うものが大きすぎてためらってしまう。まあ、実際のところはそんなに大きくないのだけど、それでも、衣食住に困らず、週末は遊べて、年に12回は旅行も楽しめる、って生活を手放すのは勇気がいる。学生の時に起業しておいて、卒業するころには軌道に乗っていたらなぁ的なことを考えるのも、やっぱり失うものがない時にビジネスの礎を気づきたいって思っているからだ。そう考えると、会社がつぶれたりしたときは、起業のチャンスではある。


でも国別にもっと詳細にみると、先進国でもやっぱり米国は起業率が高くて、起業した人または設立後3年半以内の企業で働いている人の割合は12%を超えている。この案取れプレーシップはどこから来るのか。それが知りたい。単に貧富の差が激しくて、貧しい層の人が他に選択肢がなくて起業しているのかな。でもそれだけでもなさそう。スティーブジヨブズも、ザッカーバーグも、ラリーペイジも、貧しくて起業したという話はきいたことがない。でも学生の時に起業しているから、そういった点ではやっぱり失うモノがない時に起業するっていうのが現実的なのかな。


ちなみに、起業の9割が失敗するっていう類の話は事実でないらしい。統計的には失敗確率はもっと低いそうだ。ただし、金銭的に大企業のビジネスマンより稼げるのはやっぱり稀ではあるらしい。やっぱり起業ってのは勇気がいるかな。

 

ENVCのStudy Materials

いよいよF2F形式で受講するENVCの教材がリリースされた。F2Fなので、そんなに読み物はないのかな、ケースぐらいかなと勝手に思っていたのだけど甘かった。ちょっと教材が膨大すぎて、これじゃDL形式とほとんど変わらないうえ、F2F5日間集中して授業を受けねばならないのかとちょっと焦る。しかし、F2FはフルタイムMBAの授業に参加する形式なので、フルタイムの学生はこれをもっとスケジュールがタイトな中でこれをこなしているわけだ。あんまり泣き言をいうわけにもいかない。


Study Materials
としては、テキスト、レッスンノート、ケース題材、関連論文、ビデオ、その他諸々、となっているのだけど、全部読みこむのはさすがに厳しそうだ。関連論文の内一部はFurther readingとなっているので、とりあえず、これは置いておこう。優先順位としてはケースが第一だ。これを読んでいないとディスカッションに参加できない。次がレッスンノート、テキストで、そのあとが必須の関連論文、ビデオかな。


でもケースはあまり前もっと読むと、ディスカッション当日に内容をすっかり忘れていることになるので、本当はタイミングとしては、ケースは前日に読むのがよさそうだ。渡英前はレッスンノートとテキストを読み込んで、現地でケースを読み込むのが理想かな。ケースを読み終わらないリスクが残るけど。


いきなり圧倒されそうになったけど、フルタイムのMBAを経験できるいいチャンスだ。しっかりと吸収できるように、予習していこう。

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