Warwick MBA by Distance Learning修学日記

英国University of Warwick(ウォーリック大学)の経営大学院Warwick Business School MBA by Distance Learning コースについて、勉強の日々を綴ります。

2015年03月

Black Scholes Model

ブラックショールズモデルはオプション価格を算定するモデルで、Fisher BlackMyron Scholesによって開発されたもので、その理論的な基礎としてRobert Mertonの理論が用いられている。このモデルによって、ScholesMertonはノーベル経済学賞を受賞した。Blackは残念ながらその前に若くして亡くなってしまったので受賞できなかったけど、生きていれば3人で受賞したと思われる。

ちなみにScholesMertonは伝説のファンド、LongTerm Capital ManagementLTCM)にも参加していた。LTCMはノーベル経済学賞の学者が運用理論を支えているとのことでさらに箔がついて、スター軍団とも呼ばれ、一時は莫大な資金を集めて大成功を収めていたが、アジア通貨危機とロシア危機で破たんしたファンドだ。この話は日経ビジネス文庫でLTCMの興亡として本になっているので興味がある人はぜひ。なかなか面白い。


LTCM
については証券アナリスト試験の際にも詳しく勉強したのだけど、それによると被たんしたからと言って、モデル自体が間違っていたというよりも、通貨危機での不安心理で投資家が資金を引き揚げたのが原因と説明されている。つまり通貨危機などもモデル上はいずれ値が戻る買い場であるということになるけど、投資家の不安心理が増長してロスカットと資金引き揚げに走ったことでファンドの資金がショートしたということだ。もしLTCMが全額自分のポケットマネーで運用していたならば破たんしていないかもしれない。

 

オプション理論

オプションとは、買うか買わないかなどを選択する権利のことだ。買う権利のことをコールオプションといい、売る権利のことをプットオプションという。例えばある株券について、3カ月後に一定の価格(行使価格)で買う権利のことをコールオプションといい、このオプションだけが取引の対象となる。上記コールオプションの場合、3カ月後に株券価格が行使価格よりも高ければ権利を行使して、行使価格で株を仕入れ、市場で売却すれば差額が利益になるというわけだ。


このオプションの値段をプレミアムという。逆に株価格が行使価格を下回っていれば、権利を行使しなければよい。この場合はプレミアムの分だけ損が出るが、リスクはプレミアムに限定される。プットオプションはこれらの逆というわけだ。特にプットオプションは保険として理解しやすい。一定期間後に、いくらで売れるかを予め下限を定めることができるという点でまさに保険だ。つまり身の回りの自動車保険などを考えてみても、行使価格は保険金、プレミアムは保険料で、プレミアム(保険料)を支払うことで、原資産(車)が壊れて、ガラクタとなった時、そのガラクタを押し付けて保険金を受け取る権利、これが保険であり、まさにプットオプションとみなせる。


このオプション取引、これだけなら単純なのだが、実際の世界ではコールとプットと現物と借入などを複雑に絡めて、取引される。組み合わせによってはリスクをゼロにして鞘を取ることも出来る。例えば、同一の行使価格のコールとプット両方買うと、これは価格の変動に対する賭けとなる。上下どちらに動こうと変動が大きくなるとオプションを行使して利益が得ることができるとことになるわけだ。

 

ステレオタイプ

どこかの国や企業、地域などのイメージを語るとき、どうしてもステレオタイプなイメージになって、それが一般的な常識にように語られることが多い。でもMAの局面ではそのようなステレオタイプを前提として話を進めるとろくな結果にならない。これは企業のMAだけではなく、国のイメージでも同じことが言える。あの国の人はこうだから、という決め付けは、本質を見抜く力をそいでしまうものだ。


テキストではスウェーデンとフィンランドの国境を跨ぐMAについて、記載されていた。ここで書かれていたことは、そもそもそのステレオタイプ自体、日本人の僕には新鮮で、面白かった。フィンランドはサウナ、スウェーデンはイケアって感じで、同じ北欧の国だからお国柄も似ていて仲良くやっているんじゃないの、というイメージしかなかったけど、実際はそれぞれ相手に対する固定観念があって、それが企業のMAを失敗に招くケースが多いらしい。


なぜそういったステレオタイプがだめかというと、イメージを一般化しすぎていて矛盾する事例もいっばいあるし、そもそも状況によって人の行動は変わるからだ。日本人は礼儀正しいと言っても無礼な人間もいっばいいるし、謙虚な中国人もいっばいいる。企業統治についていえば、お国柄のステレオタイプで判断すると、実は、ステレオタイプと関係なく優れた手法なのにそれを見落としてしまう可能性もある。日本企業が決断に時間がかかるのは、日本人が決断に時間かかるお国柄だからと見てしまうと、実は、決断までに詳細を詰めてディスカッションしていて、一度決断すれば、その後の履行は問題ないっていう長所を見落としてしまうかもしれない。そういった全体フローを見落として、いきなり外資企業がトップダウンの即決スタイルを採用してもうまくいかないってことになるわけだ。


そうはいってもステレオタイプのものの見方は様々なジョークがあるように面白いし、ついついそう見てしまう。常にステレオタイプに陥っていないか気をつけよう。

 

Model of Scientific Leadership

科学者やエンジニアでクリエイティブな人っていうと、マッドサイエンティストみたいなイメージで、変人とはいかないまでも、一般的なイメージは一匹狼になる。実際、周りを見ても、営業マンとは若干雰囲気の違いが出るものではある。でも最近の科学領域は複雑で一人で研究するには限界がある。さらに言えば、科学者やエンジニアが扱うRDはまさにイノベーションの源であり、専門領域の多様性がクリエイティビティに貢献するというセオリーに照らせば、彼らを関与させたチームを構成したほうがよりクリエイティブなチームになるのは明らかだ。


では、科学者やエンジニアを巻き込んだチームを引っ張るリーダーシップはどのようなものが望ましいのか。それがこのモデルだ。リーダーがどのように構成員のモチベーションをあげてよりよい成果を発揮するかを検証するには、まず3つのベクトルがあるらしい。


ひとつがGroupで、リーダーは多様性を確保したメンバーの選定、自由闊達な雰囲気作り、そしてメンバー間の相互意思疎通の促進を図るべきというものだ。次のベクトルがOrganizationでリーダーはチームのために予算、時間等のリソースを勝ち取り、メンバーをサポートし、必要な専門領域を確保する。この2つが両輪となって、WorkのベクトルのScanningから始まって、PlanningEvaluationMonitoringと続くCreative Processを動かしていくってモデルらしい。イマイチようわからん。


ただ、ICOのモジュールを通じて言っていることは同じで、Creativityはチームをうまく使えばより発揮される、チームは多様性を重視する、安心感のある雰囲気作り、明確なビジョンの提示、というような話で、それが科学者でも一匹狼だから、で片付けないで、効果的なチームメイクをすべきだ、という趣旨だと思う。

 

M&A as HR

様々な角度からMAを僻撤する勉強をしているが、今回は人事・組織行動の観点から。MAの成否が人事に大きな影響を受けるというのは、自分の勤めている会社や周りを見ても当てはまると思う。


一番ダメなパターンは、日本企業にありがちなたすき掛け人事だ。会長と社長ポストを分け合い、役員の数を均等にして、対等合併を強調する。その実、主導権争いが激しく内向きの権力闘争で疲弊していくパターンとなる。そんなに主導権がほしいなら、合併してからではなく合併前に明確にしてから合併すればいいのに、とも思うけど、そうすると今度は吸収される会社の一般社員レベルの人材の流出の恐れがあるってことになる。でも、合併してから、自分たちは非主流派に追いやられて将来に望みがにないと気づいたら出て行ってしまうのだから、やっぱり合併前に白黒はっきりつけたほうがいいように思う。そもそもそんなに流出を防ぎたいなら出身会社に関わらず優秀な人材を抜擢していけばいいと思うけど、それをやると従業員の和が乱れるし、給与体系も崩れるからやりたくない、と。結局何もかも嫌だけど、合併によるバラ色の幻想は手に入れたいというなら、やっぱりMAの大半が失敗しているというのもうなずける。


買収は優秀な人間をとる、という意味合いもあるのだから、むしろ買収された企業のトップが買収側のトップに抜擢されるっていうのがあってもいいとは思う。海外なんかではそういう詰も聞くけど、でもMAは海外も含めて失敗が大半だからなあ。どちらにしても人事はどちらか一方のモチベーションが下がるし、均衡を重んじると、弱者に水準を併せたレベルに収束してしまう。嫉妬の経済学っていうのは厄介な問題だ。

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