Warwick MBA by Distance Learning修学日記

英国University of Warwick(ウォーリック大学)の経営大学院Warwick Business School MBA by Distance Learning コースについて、勉強の日々を綴ります。

2015年01月

M&Aの波

MAにも流行り廃りがあって、過去のMAの実績を件数や金額で時系列のグラフにすると、一定ではなく結構波がある。MAのブームが来ると、どの企業も一斉にMAに走って、ブームが去るとおとなしくなるものらしい。


問題は、何がMAのブームを起こすきっかけになるのかだけど、これには諸説ある。それぞれのブーム
に様々な理由があるので、一概には言えないけど、主要なところでは、技術革新、規制緩和、グローバル化、というところだ。ここで大事な点は、MAは株式の売買なので、買う人と売る人の株価に対するギャップが存在しないとそもそも取引が成立しないということだ。つまり、この3つの要因は、ギャップを作るきっかけ、すなわち将来に対する不確実性を高める要因になるというわけだ。


例えば技術革新が起これば、いち早く生産性をあげた企業は、既存の顧客基盤を持っている会社が魅力的に見える一方、既存の株主は技術革新の波に乗り遅れてこの会社はもう駄目だと思っているかもしれない。そこで売買が成立するというわけだ。規制緩和もグローバル化も、新しいビジネスチャンスが生まれるということは、それに乗り遅れる企業も出てきて、その結果MAが活発になるということだ。また、これらの要因は、生産性の向上が見込まれるという点では大枠で一致するので、将来における株価の上昇が見込まれるということで、今のうちに企業を買っておこうというインセンティブも働く。

もちろん、実際はもっと複雑な関係だけど、MAがブームになるのは、こういった要因がきっかけとなって、誰かがMAを始めると、ライバル企業も乗り遅れまいとするし、また、自分がもうけることができるかわからないけどライバルがでかくなるのは阻止せねばならないとかいう考えも出てきて、一気にMAが活発になる。


そんなわけで金融機関は、1MA案件があると、同業他社にせっせとアドバイザリーや買収ファイナンスの提案に出向くということになるわけだ。

 

欧米の企業体系

日本にいるとついつい、欧米とひとくくりにしてしまいがちだけど、実際は、それぞれの国によって、法律も文化も違うものだ。当然企業のあり方も変わってくる。この違いをしっかりと認識することは、クロスボーダーのMAが重要になっている昨今、大事な点だ。テキストによると、そもそも、米国と欧州の差は何かという括りよりも、英米と欧州大陸の差、という括りのほうがしっくりくるらしい。確かにこれは、法体系を考えてみてもその通りだ。英米はコモンローである一方、欧州は大陸法系の流れだからだ。法律っていうのは人が考えた理屈だから、法律体系が違うってことは、文化も異なるし、根本的な思想が変わってくるということにもなるのだろう。そう考えると、日本は戦前は大陸法系を導入して、戦後は英米法系を導入しているので、両方になじみがある。グローバル化の時代、日本にもアドバンテージがあるといえばその点ではあるのかな。


肝心の、MAにおける、英米と欧州大陸の違いといえば、英米は株主資本主義の考え方が強く、敵対的買収も頻繁に発生するのに対して、ドイツやフランスでは、従業員の力が強く、且つ、国家が大企業の大株主であったり、規制が強固であったりして敵対的買収は難しいという傾向があるようだ。この点、英国のVodafoneによるドイツのMannehan買収は文化の違う両者がぶつかり合ったクロスボーダーMAのハイライトとして、重要な研究対象だ。


こういった企業の生立ちやあり方、MAにおける関係当事者(株主、経営者、従業員)のPowerにフォーカスしてMAを僻撤するというのも、なかなか新鮮で面白い。

 

IPO Underpricing

ベンチャー企業が株式を公開することは、いまだに創業者にとって一つの目標であるようだ。株式を公開すると、資金市場にアクセスできるようになって、信用も高まるから、さらなる株式発行とか、大規模なデットの調達とかにも有利で、さらなる成長を追求できる、というメリットがファイナンス理論的には説明されているけど、実際は、そんなことより成功のあかしとしてのステータスと創業者への金銭的なメリット、というほうが大きいかもしれない。


しかしながら、IPOにおいて、売り出される株の株価は、実は結構過小評価されている。売出価格と取引初日の終値を比較すると、終値のほうが圧倒的に高い場合が多い。これはなぜ起こるかというと、ひとつには、引受する証券会社のリスクヘッジのインセンティブからだ。証券会社は引受価格よりも株価が下がると損をしてしまうので、引受価格よりも確実に高く売れるという確証がほしいということだ。さらには、価格決定の際に行う需要調査でも、投資家は基本的に安いほうが嬉しいので、安めの価格を提示するインセンティブがある。発行企業にとっては、もっと高い価格で発行できたのにという恨み節は残るけど、終値が下がったり、売れ残るのは恥でレピュテーションも棄損するので、まあ、0verpricingよりはましという感じになる。


というわけで新規公開株は人気が出る。しかし、IPOの長期的なパフォーマンスをみると、思わしくないことが多い。ということは新規公開株を変えるチャンスを得た人は初日に売り払うのが最も確実だってことになる。実際、一昔前は確実にもうかると大人気だった。でも、実際には値下がりする株も多いし、値下がりする株は値上がりよりも急激に下がることが多かったりして、IPOだけ狙っていてもトータルでは損をすることにもなる。


くれぐれも株式投資は自己判断でお願いします。

Creative Network

どういったチームがよりCreativityを発揮できるかというテーマは、結構重要なテーマだ。実際にマネージャーとしてチームを率いていくとなると、こういった問いに正解があるならそれを習いたくなるものだ。


諸説あると思うのだけど、代表的な考え方としては、若干ルーズでインフォーマルな組織のほうが、フォーマルで官僚的な組織よりもCreativeである、ということらしい。まあ、これは直感とも一致する。銀行とGoogleのオフィスや組織を比べてみてもそんな感じだ。ただ、Creativeな人が集まっているからインフォーマルな組織になるのか、インフォーマルな組織にするとCreativeになるのかはビミョーだ。実際、銀行をインフォーマルにしてもCreativeにはならない気もする。というか、銀行をインフォーマルでルーズな組織にするのはほとんど不可能だ。これはテキストにも日本企業の例としてあげられていたけど、Creativeにしたくて、Creativeな部門を中心に柔軟な勤務形態を導入したけど、みんな自主的に定時に通勤して、全然ルーズにならなかったってことらしい。これは自分の現状と照らし合わせても完全に同意できる。僕も一応、裁量労働制ってことなっているけど、上司や先輩からの、なぜか労働時間の管理が厳しく、いわゆる定時に合わせて仕事をずっとする羽目になっている。ここら辺の変革の難しさはOrganization Behaviorでもさんざん研究したけど、なかなか組織を変えることは難しい。


ちなみに、ルーズな組織がいいといっても、親密な友人だけのグループは、Creativityに欠けるという研究もあるらしい。似たような人間が集まるってことにつながって、Group Thinkに陥るリスクが飛躍的に上がるようだ。CreativityにはDiversityも欠かせない。ルーズでインフォーマルだけど、親密な友人関係ではなく、各個人が独立していて、Diversityがある組織がCreativeだ、という研究が多いようだ。

Kodakのケース

Kodakというとフィルムで一世を風靡した優良企業だったのに、デジタルエイジがやってきて時代の変遷に飲み込まれて被産した企業、という風に認識されがちだけど、実際は、もうちょっと複雑らしい。

実際、Kodakは早い段階でフィルムカメラがデジタルの波にのまれて立ちいかなくなることを想定して対策を打っていた。実際、2010年にはKodakの収入の75%はデジタルプロダクツ関連から発生していて、フィルムメーカーという感じでもない。フィルムからデジタルの脱却を図っていて、RDにもちゃんと投資していて、昔は今でいうGoogleのような存在で幅広く手を広げていたのに、なぜ破産したのか。それがなかなか難しい。


一つにはデジタルの時代になると予測しながら、そのデータを保持して共有する仕組みとして、印刷が必要という発想からは抜け出せずに高性能プリンターに注力したけど、スマホの時代に人々は撮った写真はプリントせずにシェアするという行動パターンになって、ついていけなかったというのは確かにあるかもしれない。


でもそうすると、もっと思い切った多角化へ舵を切らないといけなかったということになるけど、事業の拡大はシナジーを考慮しながら進めるのが王道でもあるので、いきなり関係ない事業に乗り出すのも難しい。ソニーが不動産事業を強化、というとやっぱり普通は違和感があるものだ。でも富士フイルムは製薬事業で成功している。でもこういった多角化のうち、何が方向性を見失った戦略なのか、何がイノベーションなのか、をどうやって見分けることができるのか。結果をもとに評価するのは簡単だけど、現在進行形で判断するのは難しい。ここら辺の自分なりの答えまで確立できるようにこのモジュールを通じて慣れればいいんだけど。

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