Warwick MBA by Distance Learning修学日記

英国University of Warwick(ウォーリック大学)の経営大学院Warwick Business School MBA by Distance Learning コースについて、勉強の日々を綴ります。

2014年08月

B2Bマーケット

消責者の購買行動を前回書いたけど、企業の購買行動については、さらに注意が必要だ。企業の購買行動とは、自らの製品を作るために購入したり、サービスを提供するために購入する行動のことだ。企業の購買行動も最終消責者に受け入れられるために行うものなので、消費者行動と重なる部分はたくさんある。しかし、すべて同じマーケットというくくりで向き合うのは間違いを起こしやすい。


大きな違いはまず、その購買意思決定の複雑さだ。個人の消費者も大きな買い物になると一人で決めるってことはないけど、会社の場合はさらに複雑になる。さまざまな部署が関係してくるし、決裁権限者も変わってくる。社長が意思決定者なら社長と話せばいいじゃないかと思いきや、通常、いきなり営業に行って社長に会わせてくれる会社はない。仮に社長に会えて営業できても、じゃあ、細かいことは担当に聞いてみないとってことになって、実は社長も自分一人では決定できない。役員会議にかけるってのはいいほうで、大抵はそういったオフィシャルな意思決定機関ではなく、担当の部長の意見も聞かないと、というレベルになっている。で、部長は課長に聞かないとわからないし、課長は担当者に聞かないとわからない。誰が意思決定者なのか、誰が影響力が大きいのか、外からはなかなか見えにくい。

購買行動パターンも違う。企業の場合は継続的取引が前提になる。そのためにはルーティンに組み込まれる企業に選ばれる必要があるから、アフターサービスや商品の満足度を上げることも重要だ。逆に新規商品ではビッドが付き物で競合の存在が前提にもある。消責者マーケット比べて、企業向けマーケットは参加者が限られており且つ規模が大きいので、目の前のライバルにいかに勝つかは重要な関心事だ。


そんなわけで、コンサルタントもB2Bが専門とかB2Cが専門という風に分かれている。結構違うものなので注意が必要だ。

 

消費者行動へのインパクト

消責者が購入をどのように決定するかは、マーケッターに取っては大きな関心事だ。モノが売れるというのは、その時々の経済情勢や、どのような売り方をしたかによっても大きく変わってくるけど、それらは、おおむね測定可能だ。マクロ経済の指標はその中にあふれていて、その時々が好況か不況かくらいは大体分かる。


一方、消費者がどういった思考回路で購入に行きついたかは測定することが難しい。外部要因の刺激を受けて、それがどのように購入へとたどり着いたのか、一応、4つの側面から検証するのが望ましいということになっているらしい。CultureSocial, PersonalPsychological4つだ。


Cultural factor
は、例えば、健康ブームとか、共有された価値観が購買行動に影響を与えるってことだ。Social factorは、人は様々な社会的なグループに属しているけど、例えば、最小の単位で言うと、家族ということで、購買意思決定には家族の影響も大きい。家を買うにも車を買うにも奥さんの影響力は大きいし、旅行先の決定には子供の影響力が大きい。この実際の購買者と影響力を持っている人はだれかという観点はMarketingでは非常に重要だと思う。Personal Factorは年齢、性別、年収、職業などが購買行動に影響を与えるってことだし、Psychological factorはもうちょっと短期的な視点でモチベーションとか、商品の認知とかそういった側面だ。


確かに購買行動はこういった要因が複雑に絡み合って決まっている。商品によってどれが強く出るかは変わってくる。例えば家だと子供が生まれたからって要因が大きいと思うし、時計とか貴金属だと昇進したからって要因が大きくなったりする。自社の商品、サービスはその購買に誰が影響力を持っていて、人生のどんな場面で購買に向かうのか、それを知っておくことがまず必要になってくる。

 

サブリミナル効果

Marketingのテキストでおもしろいコラムを読んだ。それによるとサブリミナル効果と宣伝した商品の因果関係はすでに否定されているらしい。


サブリミナル効果は、映画の最中に百分の1秒とか人間が知覚できないスピードで宣伝文句を頻繁に入れると、無意識のレベルに刷り込まれてしまうというものだ。映画の最終にポップコーンとかコーラの-コマ映像を何回も入れておくと、映画が終わるとポップコーンとコーラの売り上げが伸びるというもの。無意識のうちに洗脳されているようで怖いという感じもあって、そのような宣伝手法は許されない、というイメージが定着しているんだけど、実はそんな宣伝効果はないってことで、結構びっくりした。サブリミナル効果が否定されているって話はいままで聞いたことはなかつたから。でも、上述の映画の実例を発表した研究者はすでに一部データに脚色があったことを認めているらしい。どこかで聞いたことがあるような話だ。。。


その他、他の実験では明確な因果関係は証明されていないらしい。サブリミナルでなんらかの潜在意識に刷り込みがなされるってことまでは確からしいけど、それが購買行動に影響を与えるような強い力を及ぼすまでではないってことだ。しかし、裏を読むとこれはMarketingのテキストだから、広告会社と結託してそういうことにしてくれってことになっているのではないか??と勘繰ったりして。それもなんか陰謀論みたいで陳腐だけど。

 

Quality Function Deployment(QFD)

このQFDって概念も発案者は日本人らしく、テキストにも頻繁に日本人が出てくる。OMも日本人ならばもっと貢献したいとも思うけど、実務的なバックグランドがないだけに厳しい。中小企業診断士の試験でちょっと勉強はしたものの知識も全然足りないし、やっぱり実務経験がないのは痛い。貢献どころかついて行くのが精いっぱいといったところでテキストもわからないことが多い。英文が読みにくくてやっぱり勘所がない科目は英文も難しく感じるものだ。


QFD
のマトリクスもちょっと過去に習ったような記憶があるだけですっかり忘れていたけど、このマトリクスは確かにいろいろ応用できそうだ。日本で最初に提唱された時は、プロダクトアウトよりもマーケットインの思想がこのQFDには強いので、あまり普及しないうちに欧米では研究が進んだようだ。例えば縦軸にお客様の声、横軸にどのようにそれにこたえるかの施策を取って、重要度やそれぞれの項目の関連から点数をつけていく手法だ。どの項目がもっとも重要なのかが数値化されるのでわかりやすい。


このマトリクスは見た目が複雑そうでとっつきにくいけど、ひとつずつ噛み砕いてみるとそんなに難しいわけではなさそう。現場でのツールだからそんな複雑だと使いこなせないから、たぶん理解できるようになるだろう。身近な例に置き換えて、自分で使ってみるのがよさそうだ。

 

コンセプト評価

ある製品やサービスを作るとき、開発には段階があって、まずコンセプトを固めて、そのコンセプトを評価して、中間報告てきな試作を作って、それに改良を加えてプロトタイプを作るっていうのが大まかな流れになる。なので、土台となるコンセプトがそもそも間違っているとそのコンセプトにしたがって作った製品も間違っていることになってしまう。コンセプトはしっかりと評価することが必要だ。

コンセプト評価には3つのクライテリアがあって、FeasibilityAcceptabilityVulnerabilityというクライテリアをOperationMarketingFinance3つの観点から評価する。オペレーションの観点からだけ評価しても、裏付けとなる資金がなければ絵に描いた餅だし、しっかりとしたマーケットがなければ赤字を垂れ流すだけになってしまうからだ。


なので、Feasibilityという実現可能性は重要であるけど、それはオペレーション能力があるかという他にも資金調達できるのか、十分なマーケットがあるのかを検証しなければならないし、Acceptabilityでは、オペレーションの再定義と同時にどれだけのマーケットシェアを取る見込みがあって、どれだけ利益を上げられるかを検証する必要があり、またVulnerabilityは、オペレーション上どれだけのリスクがあるかのほかに、財務上のリスクやマーケットレピュテーションのリスクも考慮する必要がある。つまり実現可能性のほかにアップサイドのリターンと失敗した場合の損害はどれくらいかまで併せて評価しなければならない。OMは他の科目との論点がかぶって総合的かつ実践的な課目のような気がする。OMだからってFeasibilityだけ見ればいいってわけではないのだ。


OM
って一言で言うと経営を科学的に分析しようする学問だと思う。ビジネスには唯一絶対の正解がないってことをいいことに、好き勝手なことを言う主観的な感想文のようなコンサルティングも横行してしまうので、OMを学んでいくことは科学的な裏付けをコンサルティングに与えるような面もあると思う。

 

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