Warwick MBA by Distance Learning修学日記

英国University of Warwick(ウォーリック大学)の経営大学院Warwick Business School MBA by Distance Learning コースについて、勉強の日々を綴ります。

2014年02月

為替相場

為替に関して、日本は変動相場制を採用していて、日々のニュースでもドルやユーロとの為替相場が最後に表示されるので、変動相場制が世界標準化と思いきや、世界にはまだまだ固定相場制の国も多い。固定相場制のメリットは為替相場が一定に固定されているため、企業は為替変動リスクを考慮する必要がなく、短期的には経済を安定させることができるというメリットがある。一方、為替相場が動かないので通貨価値の下落による国内輸出企業の競争力強化といった手段をとることができないのがデメリットだ。またそれ以外に固定相場を維持するためには、一方的に国が宣言すればよいというものではなく、一定の相場が維持されるように国が絶えず介入して需給を調整しなければならない。特に自国通貨の価値の急激な下落に対しては、保有している外国通貨を売って介入する必要があるので、外国通貨がそこを尽きると通貨を一気に切り下げる以外になくなってしまう。急激な為替の変動はビジネス上はかなりのリスクとなる。一方、変動相場は日々の為替が変動することがリスクとなるが、急激な通貨の切り下げなどを心配する必要がなくなり、自らヘッジする手段もできるとともに、国の金融政策の自由度が高まる。


僕は変動相場制が望ましいと思っていて、基本的には国による為替介入にも反対だ。教科書的には通貨安は輸出競争力の強化ということにもなるんだけど、実際はそんなに単純でもないと思う。特に日本では原材料や原油を輸入しなければならないし、通貨安によって電機製品
や車の価格を下げるっていうのも、経営者に業績不振の言い訳を与えて、本質的な問題点への変革を帰って遅らせるだけだとも思う。経営者は普段戦略を語るときは皆、付加価値の高い分野に特化して価格競争はしないって言うくせに、一方で円高で価格で負けるのが業績不振の原因とか言ったりしているのがその証拠だ。僕自身、円安でiPadが値上がりしたときはぶ-ぶ一文句言ったけど、結局iPad買ってしまった。高付加価値ってそういうことだ。為替相場は市場に任せるに限る。

Quantitative Easing

マクロ経済学では、MBAでもISLM分析を通じた財政政策や金融政策をまずは勉強する。ここら辺は中小企業診断士や証券アナリストでも共通の科目であるので、昔のブログでそれぞれ、貨幣市場財市場概要について触れて、財政政策や金融政策の有効性について、流動性のわなクラウディングアウト効果として書いた。簡単におさらいすると、縦軸に金利、横軸にGDPをとったISLM分析において、財市場の均衡を表すIS曲線と貨幣市場の均衡を表すLM曲線の交点において金利とGDPが決定されるという理論だ。ここら辺の原則的な理論はMBAでも大きな違いはないが、僕が当時書いたときと大きく違うのは、金融危機の後であるということだ。ここらへん、昔のブログと読み比べると面白い。

金融危機によって各国はそろって量的緩和政策を導入しているので、今のMBAではそれについてより時間をかけてその有効性を論じている。実際量的緩和の有効性については議論があるところで、日銀が最初に量的緩和を導入したときは、その効果は疑わしく、効果があったのは時間軸効果のほうだという説のほうが支配的だった印象がある。しかし、その後金融危機の後、各国は金利を0%近傍まで下げた後は積極的に量的緩和を導入していたので、効果がないって結論ではなかったのかなあと思っていたんだけど、テキストでは、少なくとも英国での量的緩和は一定の効果があったとまとめている。しかし日本でのアべノミクスは3本の矢とか言っているように、経済政策って複合的な政策を絡めて実施しているので、どれが実際に効いているのかを見極めるにはむずかしいんじゃないか。それにあまりにも巨大な量的緩和は、表面上の経済指標が好転していても、背後により大きな副作用が内包されていて、後日出てくるなんてケースもあるだろう。米国のサブプライムローンだって、最初は素晴らしいイノベーションだって言われていて実際うまく回っている時期もあったけど、実は巨大なリスクが積みあがっていたんだ。経済学は実験ができず、いきなり実社会で活用される学問だから、因果関係が複雑すぎてその評価が難しい。

スタディグループでEBEの議論

昨夜は9時からスタディグループでEBEのディスカッションを実施。話をしていると、どうも僕は先を急ぎすぎているようだと感じた。結構みんなしっかりと理解するまで、じっくりとレッスンにとどまって頑張っているようだ。僕は表面的に理解したと思ったら焦って先に進んでしまっているのかな。確かに知識が薄っぺらい気がするが。。。


しかし、一方でみんな中間アセスメントの課題についてどうするんだ、みたいな会話をしている。僕は中間アセスメントがすでに公表されていることすら知らなかった。皆そこら辺のチェックは抜け目ない。おまけにお前だけが経済学士でバンカーなんだから、専門家ってことで中間アセスメントの解説をしろ、って話になぜかなって、来週までのグループワークまでに検討することになってしまった。まあ、どうせやらなければならないことだからいいんだけど、時間的にそんな無茶なという気もする。中間アセスメントをさらっと見る限りではマクロ経済の総まとめ的な問題な気もする。レッスン4までがマクロ経済なので、それをじっくりやって、ウォーリックウィークのオンキャンパスで教授に質問してから取り掛かってもいい気もするな。でも役割が与えられてしまった以上は、とりあえず、頑張って考えてみよう。じっくりと考えることが力になる。

2極化

チームワークの落とし穴ってところで面白いコラムを読んだ。ちょっと古いコラムだったけど、現状ともマッチしている点もある。チームワークで陥りがちなわなとして、意見が両極端に触れる傾向がある、ということがある。最初はマイルドな意見しか言わないメンバーも何かの拍子に一方に触れると後は加速度的にその意見が助長されてついには非常に極端な意見になる。このコラムは2001年にNYTが書いたものだけど、ネットによる意見の集約について、望ましくない情報を排除し、共通の情報に隔たったグループによって意見が交換されることによって、どんどん意見が極端になると書いている。これも一種のチームワークによる弊害と同様のものらしい。


最近、裁判員制度が始まってから検察の求刑を越える判決が多発しているってニュースを見たけど、これもその一例かな?


また、ネットについてもこの指摘はなるほどと思える。以前よりもネット社会は進み、個人もブログだけではなく動画の配信も含めて多様な意見表明ができるし、自分にあったニュースだけを配信してくれるニュース配信サービス会社も増えている。そして現状ネットではネトウヨって呼ばれるような意見が増えている。世の中的にはまだまだサヨク的な意見が幅を利かせているところもあるけど、ネット上ではネトウヨのほうが幅を利かせている印象だ。昔はサヨクが幅を利かせていたのは、日教組や日弁連、マスコミなど社会に影響が大きく、情報発信できる主体を抑えていたからだろう。こういったグループに反感を持っている人たちがここにネットで意見発信できるようになった結果、いつの間には擬似的なグループが出来上がり、そのグループ内での意見が増徴されていくというプロセスだろう。これはひとつのニュースに関連したニュースが同じページに表示されて似たようなニュースに多くすれたり、コメントした人が貼ったリンクを見たりして、情報が連鎖していくためだと思う。ネット社会ではグループに属している認識はなくても勝手にカテゴライズされた情報にアクセスしやすくなるというのは注意が必要な点だ。多様な意見に触れるというのはしっかりと意識しないとなかなか難しいものだ。

ブレーンストーミングの効用

ブレーンストーミングは、アイディアを出すツールとして非常に有名だ。僕自身もブレーンストーミングは効果があると思っていて、中小企業診断士のコンサルプロジェクトでリーダーをやるときは、ブレストをやろう、といってよくやっている。このブレーンストーミングは米国の広告会社の経営者アレックス・オズボーンが編み出したもので、アイディアを捻出するのに実際効果があったこの手法を更改したものだ。しかしながら、大学の研究室で行う実験では、どうも結果は思わしくないらしい。ブレストでやるよりも個人でアイディアを出したほうが一杯出るとか、ブレストよりもディベート形式のほうがアイディアが豊富に出るという実験結果もある。いわく、反対意見はアイディアを生み出すドライバーってことになるらしい。


とここまで勉強してぴんと来た。たしかに、僕自身の経験からも、ブレストの運用は難しいとは思う。ブレストは批判禁止便乗歓迎で意見を出すものだけど、自分の意見を表明するってことには変わりはない。批判しないからと前置きして、さあアイディア出して、といっても意見が出しにくい雰囲気があったらうまく機能しない。お笑い芸人にいきなり「面白い事言って」つていうようなものだ。思うに初顔合わせでもコンサルチームならべテランのリーダーがうまく雰囲気作りもしてくれるかもしれないが、大学の実験で集められた初対面のグループでは無理だろう。こういう場合はディベート形式で反対意見と戦わせたほうがそれがきっかけとなっていろいろと意見が出てくるものだ。逆に気心知れた間であればブレストはやっぱり効果があると思う。IT企業などではオフィスなどがかなりリラックスできる雰囲気を作っているのと同じだ。気さくな意見表明はくだけた雰囲気から生まれるものだ。


逆に高度にマニュアル化された仕事は、初顔合わせのほうがうまくいくって事もある。飛行機の操縦とか。こういうケースでは馴れ合いすぎて「いつもどおりでよろしく」ではよろしくない。組織管理の難しさはそれぞれの特性に応じて対応策も変わるということだ。他でうまく言っているからそれを移植すれば自分もうまくいくってことはないのだ。
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