Lean Synchronizationは、ライブセッションでは先日ならったばかりだ。これは、主に日本起源の生産方式だけど、これを一言で表すのはなかなか難しい。在庫をなくすとか、継続的な改善活動っていうのも一部だけど、それだけで表すと誤解を招きそうだ。あえて一言で言うと、「無駄をなくし、価値を生む活動だけを行う方式」ってことかもしれない。

でも価値っていうのは人によって違う。ここでいう価値は顧客志向の原則に帰って、顧客が望む価値ってことになるけど、それも顧客によって違う。そうすると顧客ごとにその顧客が望む最適な価値を提供するってことになるけど、こうなると低コストでそれを実行することは難しくなる。低コストを望むなら一括で均一的なものを大量生産することが効率的だからだ。でもLean SynchronizationとかJustin Timeの肝は、低コストの実現でもある。必要な時に必要なものを必要な場所に低コストで届けることがその方式の目的でもある。

この、実は相反する命題を実現しなければいけないからLean Synchronizationは難しいのだろう。トヨタ生産方式をまねしようとしてどうもうまくできないと嘆く経営者は結構多いと聞く。ここでの肝は全従業員の積極的な関与だろう。このシステムはやはり、カイゼンが重要だけど、それが企業文化というレベルまで浸透して初めて継続的な改善が実効的になるし、上司も聞く耳を持つ。相反する目的を達成する必要があるのだから、徹底的に無駄をそぎ落として筋肉質な会社にする必要がある。そのための全従業員の関与がモチベーションを維持するためにも必要なんだと思う。